「中国留学情報」のお客様の大半は社会人の方です。
やはり会社を辞めて退路を絶ってのご留学ですので、
非常に真剣な方が多いです。
何としても成果を得たい。
何としても中国語を身に付けたい。
それだけ真剣だからでしょう。
こんなお問い合わせをよくいただきます。
「授業内容の良い大学に留学したい」
「教師の質の高い大学に留学したい」
そりゃそうですよね。
気持ちはよく分かります。
ですが、はっきり申し上げます。
この基準で大学を選ぶのは不可能です。
今回はその理由について説明します。
まず「授業内容」。
カリキュラムと言い換えてもよいでしょう。
私は今まで数百大学のカリキュラムを見てきました。
今でも学期ごとに数十校のカリキュラムを見ます。
で、その内容はどうなのかというと、
どの大学もほとんど一緒なんですよ。
語学留学のカリキュラムって。
一度「中国留学情報」のいくつかの大学の、
カリキュラムを見比べてみてください。
私の言う意味がよく分かると思います。
まず、科目ごとの1週間の時間配分。
●総合:6~10コマ
●会話:4~6コマ
●聴力:4~6コマ
●閲読:2~4コマ
これに漢字とか作文とかが加わったりして、
1週間あたり合計20コマ。
どの大学もほとんど同じです。
次にテキスト。
例えば「総合」の場合。
●漢語教程シリーズ(北京語言大学出版社)
●発展漢語シリーズ(北京語言大学出版社)
8割方の大学がこのどちらかです。
科目ごとの時間配分も同じ。
使っているテキストも大差ない。
そうなんです。
どの大学もカリキュラムはほとんど同じなんです。
ですので、
授業内容で大学を選びたいという気持ちはよく分るのですが、
残念ながら現実問題としては不可能です。
次に「教師の質」。
どうせ留学するんだったら、
良い先生に教えて欲しいですよね。
「教師の評判が良い大学に留学したい」
そう言いたくなる気持ちは、
私も十二分に理解できます。
ですが、
みなさんちょっと考えてみてください。
「在籍する教員すべて教え方が上手い」
そんな大学あると思いますか?
みなさんが中学、高校の時。
同じ科目でも教え方の上手い先生、下手な先生、
やっぱりいましたよね。
大学に進学してからでもそうだったはずです。
同じ経済学でも、引きこまれそうな授業をする教授もいれば、
学生を眠らせることが非常に上手な教授もいたはずです。笑
中国の大学だって同じです。
20年の大ベテランもいれば、
大学を出たばかりの新人もいます。
全員が教え方が上手い。
そんなの理屈としてありえません。
また、例えばブログか何かで、
「○△大学の王先生は教え方が上手い!」
と書いてたとしましょう。
それを目当てに○△大学に留学した。
で、王先生の授業に当たる保証はありますか?
○△大学には張先生もいれば李先生もいます。
王先生に当たる確率のほうが低いですよね。
どんな大学に行こうが、
教え方が上手い先生もいれば、下手な先生もいます。
その結果、
科目ごとの教師の当たり外れは必ず出ます。
外れが出るのはイヤという気持ちは分かります。
でもしょうがないです。
すべての教師が上手い大学なんてないんですから。
ですので、教師の質で大学を選ぶのも、
やはり、非常に無理があるんです。
留学情報サイトを見ていると、
たまにこんなことが書かれています。
「教え方に定評アリ!○△大学」
どんな定評なんだか聞いてみたいですね。
これを書いた人、その定評を本当に聞いたのか?
その定評の根拠を確認したのか?
たぶん何もしてませんよ。
書くような特徴が思いつかなくて、
当たり障りの無いフレーズとして書いたのか、
または、大学から送られてきた資料を丸写ししただけです。
もし本当に定評があるというならば、
●他大学のカリキュラムと比較した特徴の明示
●定評であることを示す数的データ
●全教員でノウハウが共有されていることを示す根拠
少なくともこの程度の材料は示すべきです。
「教師の質に自信アリ!△□大学」
私断言しますが、これを書いた人、
△□大学の教師全員には会っていません。
ってか、1人も会ってなかったりする。笑
全教師に会ったわけでもない。
全教師の授業を実際に受けたわけでもない。
で、何を根拠に「自信アリ!」なんて言ってるのか?
茶番も良いところです。
授業内容や教師の質で大学を選びたい。
その気持はよく分かります。
しかし、現実問題としてそれは不可能です。
あきらめてください。
そして同時に、
根拠もなく授業内容や教師の質で大学をアピールする。
そんな手に引っかかってはいけません。
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【今週のまとめ】
1) カリキュラムに大差はない
2) どんな大学でも教師の当たり外れは必ず出る
3) 授業、教員の質で大学を選ぶのは不可能
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